渋女生の活躍

卒業式を行いました 【答辞】


[卒業生代表による答辞]

 寒さの厳しい冬を越え、中庭の木々の芽もふくらみ始める季節となりました。そして間もなく、その木々が様々な花を咲かせていくでしょう。その木々と同じように、私達卒業生一同もそれぞれの色でそれぞれの道へと旅立とうとしています。校長先生をはじめ諸先生方、来賓の皆様方、本日は私達のためにこのように盛大な卒業式を挙行して下さり、ありがとうございます。
 振り返ってみると三年前、真新しい制服に袖を通して臨んだ入学式の日から今日までの日々が走馬灯のように思い出されます。 すぐに始まった高校での勉強。手渡された大量の厚い参考書や毎週あるミニテストにたじろぎながら、奮闘の毎日が始まりました。さらに部活動もはじまり、改めて気持ちを入れ直したときに私達を待っていたのは32kmの榛名登山でした。
 走って先陣を切る運動部。我がバスケットボール部も伝統の風呂敷を担ぎ走りました。このときは先輩に追いつくのが大変で、特に登りは先輩に遅れまいと必死だった私達。それでも、下りは辛いのを紛らわすために、たわいのない話で盛り上がったり、歌を歌ったりして楽しく下ったのを覚えています。仲間達と手を繋いで「せーの」で校門に入ったときの感動は忘れられません。辛かった分、得たものは何ものにもかえがたいものになりました。学年が上がり後輩ができ後輩を励ますことができるようになると、成長を実感することもできました。
 二年生では、私達にとって最初で最後の清苑祭がありました。クラスで構想を練り、役割分担を決め、だんだんと出来上がる教室展示に胸がおどりました。当日は多くの来場者が来て下さり、大忙しでした。有志ステージで活躍した生徒も、出店で接客をしていた生徒も、渋女生みんなが輝いて見えた日でした。
 青く綺麗な海。群馬とは全く異なる文化や街並みに魅了された沖縄修学旅行。首里城などの観光地をめぐり沖縄の文化に触れながら、非日常的な体験をさせていただきました。また、ガマやひめゆり資料館などの見学を通して、戦争の悲痛さを改めて実感し、「二度と繰り返してはいけない」という思いを皆で抱きました。ホテルでは友達と夜遅くまで話が続いたり、たくさん写真を撮ったりとそれぞれの楽しい思い出を作りました。
 三年生の時の体育大会では、クラスがそれぞれの色のTシャツで身を包み、勝利のために一丸となって競技に臨みました。お互いに励まし合って全力で挑む姿はとても輝いて見えました。最後には勝敗に関わらず、みんなが笑顔だったのを覚えています。
 部活動では、県高校総体で優勝し、関東大会出場を果たした弓道部、県の理事長賞を獲得したコーラス部をはじめとして、運動部も文化部もそれぞれが力を発揮しました。時には、思うような結果が出なかったり、努力しても越えられない壁にぶつかったりと何度もくじけそうな出来事がありました。しかし、その度に同じ思いを持っている仲間が横にいると気づき励まされ、その度に強くなりました。練習が辛くても一緒に笑い合える仲間達のおかげでみんな乗り越えることができました。
 こうして振り返ると、勉強や部活動、特に受験などの辛い思い出もありますが、それ以上に鮮明に覚えているのはどれも楽しかった仲間との思い出ばかりです。
 さて、後輩の皆さん。皆さんには大変お世話になりました。皆さんの存在が私達の励みでした。廊下ですれ違うときに「先輩!」と声をかけてくれて、頼りにしてくれてとても嬉しかったです。私たちの渋川女子高校は今年で創立百周年を迎えます。後輩のみなさんにはこの伝統校をさらに輝かせてほしいと願っています。生徒会が中心になって、中止になった榛名登山を再開させたように、積極的に学校を盛り上げて下さい。私達はいつまでもみなさんを応援しています。残りの学校生活、悔いのないように楽しんで過ごして下さい。
 また、楽しいときは一緒に笑い、困った時には親身になって助けて下さった先生方。私達が充実した高校生活を送ることができたのは先生方のおかげです。私達の進路実現のために毎日尽力して下さった姿を見て、私達もその期待に応えるためにさらに頑張ろうという気持ちになりました。先生方の教えを胸に、大きく成長していきたいと思います。本当にありがとうございました。
 ここまで私達を大切に育ててくれた両親。どんな時も一番側で支えてくれました。今まで私達のためにしてくれたことへの感謝は一言では言い表せません。これからは私達が恩返しをする番です。どうかこれからも見守っていて下さい。
 そして三年間一緒に過ごしてきた三年生のみなさん。私達がこれから担う社会は国内のみならず、地球規模の問題をも抱えています。それぞれの分野でそれぞれできることに精一杯、取り組んでいきましょう。時には、目の前が真っ暗になってしまうことがあるかもしれません。困難や挫折を味わうこともあるでしょう。しかし、私はそれらから立ち直る方法は、今までの人生の中にヒントが隠れていると思っています。それは楽しい思い出の中かもしれないし、辛い思い出の中にあるかもしれません。今日から別々の道を歩くことになっても、思い出はずっと残っています。今まで得てきた力や絆を信じてそれぞれの道へ進んでいきましょう。
 最後になりますが、この三年間で関わった全ての方々に感謝を申し上げ、渋川女子高校の益々の発展と後輩の皆さんの更なる活躍を願い、答辞といたします。 
令和二年三月二日 卒業生代表 生徒より