Eメール 2025.12.04 アメリカ語学研修 6日目

【渋川女子高等学校アメリカ研修 6日目報告書】

  氷点下に迫る冷たい空気に、朝のボストンらしさが戻ってきました。Kaplanに登校してくる生徒たちの頬は真っ赤。手には温かいコーヒーを持って教室に向かう姿も見られ、「現地の学生っぽさ」が出てきたように感じます。授業では、初日の遠慮がちな様子とは打って変わり、自分から英語で説明したり、話しかけたりする機会が確実に増えてきました。クラスによっては宿題も出されており、分からない問題があっても「ここってどういう意味?」「なんて答えればいい?」とクラスメイトに聞き合う姿が自然に生まれています。“間違えたらどうしよう”という気持ちよりも“伝えてみたい”が上回り始めたのが大きな成長です。休み時間には海外のクラスメイトと一緒に写真を撮る生徒が増え、名前を覚えて呼びかけたり、連絡先を交換したり、交流を広げようとする小さな会話があちこちで生まれていました。中には相変わらずゲームに夢中な“サボり系男子”もいますが、そういう生徒でさえ渋女生たちにとっては魅力的なクラスメイトの一人。相手の個性ごと受け止めようとしている姿勢や、授業を受けるだけでなく、「どうやって距離を縮めるか」を主体的に考えられるようになったのは、この数日間での大きな変化です。

 午後はボストン美術館(Museum of Fine Arts, MFA)へ。世界有数の規模を誇る美術館で、古代エジプトからアジア美術、印象派、アメリカ美術に至るまで幅広いコレクションを有しています。館内には14:30に到着し、各自で興味のある展示を自由に鑑賞しました。モネの《睡蓮》を見られたことを嬉しそうに報告する生徒が多く、絵画の前で足を止め、じっくり見入っている姿がとても印象的でした。エジプト展示では巨大な石棺や壁画、ミイラの装飾など迫力ある作品が並び、「本で見たことあるやつだ!」と興奮気味に話す生徒も。館内にいられたのは2時間程度でしたが、それぞれが自分の世界を広げる時間になりました。

 外へ出ると、再び冷たい風が吹きつけ、夕方には雪が舞い始めました。明日の予報は最低気温マイナス12度、最高気温マイナス3度。明日は語学学校最終日で終了式の後、班別自由行動がありますが、まさに“試されるボストンの冬”。街を歩くだけで体力が奪われるような寒さの中、それでも「せっかくボストンにいるんだから、できることは全部やりたい!」と意気込む声が聞こえてきますが、この寒さでどこまで動けるかが少し心配なところです。

 語学の壁、文化の違い、寒さとの戦い。どれも簡単ではありませんが、生徒たちは一つひとつ乗り越えながら確かに前へ進んでいます。英語で質問する勇気、分からないままにしない姿勢、そして海外のクラスメイトとの交流を楽しもうとする気持ち。どれも出発前の彼女たちには“難しいこと”だったはずです。明日が語学学校の最終日。学びの締めくくりとなる一日を、どう迎え、どう過ごすのか。残り少ないボストンでの時間を、自分の力でしっかりと掴んでほしいと思います。以上、6日目のご報告でした。

 

※写真は追って掲載します