渋女blog

Eメール 2025.12.06 アメリカ語学研修 8日目

【渋川女子高等学校アメリカ研修 8日目報告書】 

研修8日目は、ボストンを離れ、ニューヨーク・マンハッタンへと向かう移動日。早朝、各家庭をタクシーで回りながら空港へ向かいましたが、涙の別れ…というよりは、意外にも和やかな雰囲気。「じゃあね!」「また来るね!」と手を振る姿に、少し拍子抜けするほどでした。この時点では、まだ生徒たち自身も、この数日間がどれほど大きな時間だったのか、実感しきれていなかったのかもしれません。

マンハッタンまでは大型バスで移動し、途中のサービスエリアで昼食を購入しました。研修初日にも同じように立ち寄った場所ですが、今回は様子がまるで違います。英語での注文も、支払いも、驚くほどスムーズ。列に並びながら「これでいいんだよね?」と不安そうにしていた姿はもうありません。「あ、これ前もやったやつだ」と言わんばかりの余裕すら感じられ、本人たちは気づいていないかもしれませんが、確実に成長しています。

ニューヨーク到着後は、メトロポリタン美術館(MET)を訪問しました。世界最大級の美術館として知られ、古代エジプトから現代美術まで、時代も地域も超えた作品が並びます。広大な館内を前に、「全部は見きれないね」と笑い合いながらも、それぞれが興味のある展示に足を運び、自分なりの視点で鑑賞していました。研修序盤なら「どこ見ればいいの?」と戸惑っていた生徒たちが、「私はここ見てくるね」と自然に行動している姿に、小さな自立の芽を感じました。続いて訪れたロックフェラーセンターでは、クリスマスツリーを見学しました。世界中から集まった観光客で周辺は大混雑。それでも「人多すぎ!」と笑いながら、人の流れを読み、仲間同士で声を掛け合って進む姿は頼もしいものです。少し前なら不安で立ち止まっていたかもしれませんが、今はこの“カオス”すら楽しめる余裕がありました。

夕食後はタイムズスクエアで自由時間。無数のネオン、巨大な広告、観光客の波。まさにニューヨークらしい光景の中、生徒たちは思い思いに街を満喫しました。M&M’sやハーシーズ、ディズニーショップを巡る生徒、少し疲れてホテルのラウンジで休憩する生徒。それぞれが「自分のペース」を選べるようになっていることも、この研修での成長の一つです。なお、マリオットのラウンジはクリスマス仕様で、生徒以上に引率者のテンションが上がっていたかもしれません。続いてバッテリーパークから自由の女神像を遠望しました。夜景の中に小さく浮かぶ姿でしたが、「あれが自由の女神…」と静かに見つめる表情。冷たい海風に身を縮めながらも、ここまで来た自分たちを、どこか誇らしげに感じているようにも見えました。その後、ブルックリンブリッジを車窓から眺めながらJFK空港へ向かいます。

空港での手続きも、研修初日とは比べものにならないほど落ち着いていました。最初は不安でいっぱいだった研修が、「自分にもできる」という確かな自信に変わっていることを感じました。観光を楽しみながらも、知らない場所で判断し、行動する力を身につけてきました。表情は軽やかでも、その内側では確実に何かが積み重なっています。この経験が、これからの人生で新しい一歩を踏み出すときの支えになることを願っています。

本 2025.12.04 図書館で「Discover Canada」を開催しました

 渋女に新しく赴任したALTの先生Marie先生が、出身地のカナダを紹介する会「Discover Canada」を開催しました。先生から歴史や祝日、食べ物についてお話いただき、参加した生徒は熱心に耳を傾けていました。Marie先生が持って来てくださったカナダの通貨も、実際に手に取ってみて初めて気付く発見がありました。このように実際に見聞きすることにより、インターネット上では得られない貴重な情報を得られたことに加えて、カナダのことをより身近に感じられる素晴らしい会となりました。Marie先生、ありがとうございました。

Eメール 2025.12.05 アメリカ語学研修 7日目

【渋川女子高等学校アメリカ研修 7日目報告書】

  研修7日目。快晴の朝でしたが、気温はマイナス12度と極寒の一日でした。空気が鋭く肌を刺し、頬や手先の感覚がみるみる奪われていくような厳しい寒さでした。そんな中でも生徒たちは凍える指先をこすりながらKaplanへ登校。最終日の授業に臨みました。短い5日間の中で、生徒たちは「英語が聞き取れない」「言いたいのに言えない」と何度も心が折れそうになってきました。それでも、あきらめることなく、休み時間にクラスメイトへ話しかけてみたり、身振り手振りを交えて説明したり、伝える努力を続けてきました。聞き返されても、相手の言葉が理解できなくても下を向かない。必死にもがいてきたからこそ、少しずつ「分かった!」が増えていきました。授業が終わる頃には、自然と「See you again!」と声を掛け合えるほどに成長していました。

 授業後には修了式が行われました。青いガウンと帽子を身につけ、照れながらも誇らしげな笑顔で証書を受け取る姿に、この5日間の努力の積み重ねが感じられました。修了書を先生(プロの歌手だそうです!)から受け取り、全員がスピーチに挑戦しました。授業でお世話になった先生、クラスメイトの皆に感謝の気持ちを伝えます。緊張で震える手を押さえながらも堂々と話し切ることができました。最後は映画やドラマの中で見たCap toss!全員が笑顔で帽子を投げ上げた瞬間、達成感と安堵の拍手が会場に響きました。

 修了式後は、4つの班に分かれて班別自主研修を行いました。港に面したニューイングランド水族館ではペンギンや巨大なウミガメに歓声を上げ、海の生き物を間近で感じる時間となりました。ボストンの中でも最も美しい街並みといわれるビーコンヒルでは、赤レンガの家々や歴史あるガス灯にうっとりしながら写真撮影を楽しみました。ニューベリーストリートでは活気あるショッピングストリートを歩き、人気ベーカリーや雑貨店でお土産探しに夢中。プルデンシャルセンターでは展望フロア「View Boston」から街を一望しようとしましたが、お高い入場料に断念。入口で写真を撮って地上へ降り立ちました。TDガーデン周辺ではNBAやNHLのホームとしての迫力に驚き、選手グッズを手に取る班もありました。他にもホールフーズ(アメリカらしい色鮮やかな食品に目を輝かせながらあちこち物色)クインシーマーケット(滞在中ほぼ日参しているにも関わらず、「まだ食べたい!」「もう一回来たい!」と笑いながら再訪する姿が)を訪問。極寒の中での移動となりましたが、「自分たちで目的地にたどり着けた!」という自信が生徒たちの表情に刻まれていました。
 研修はいよいよ終盤へ。「後悔を残したくない」「もっと話せるように、もっと自分から動けるようになりたい」「挑戦できる自分でいたい」そんな強い気持ちが生徒たちの原動力になっています。大切なのは、完璧にできたかどうかではなく、できなくても自分で考えて挑み続けたこと。一歩踏み出すたびに、生徒たちは確かに変わり始めています。残された時間の中でも、勇気を持って前へ進み、自分の可能性を広げてくれることでしょう。以上、7日目のご報告です。

Eメール 2025.12.04 アメリカ語学研修 6日目

【渋川女子高等学校アメリカ研修 6日目報告書】

 氷点下に迫る冷たい空気に、朝のボストンらしさが戻ってきました。Kaplanに登校してくる生徒たちの頬は真っ赤。手には温かいコーヒーを持って教室に向かう姿も見られ、「現地の学生っぽさ」が出てきたように感じます。授業では、初日の遠慮がちな様子とは打って変わり、自分から英語で説明したり、話しかけたりする機会が確実に増えてきました。

 クラスによっては宿題も出されており、分からない問題があっても「ここってどういう意味?」「なんて答えればいい?」とクラスメイトに聞き合う姿が自然に生まれています。“間違えたらどうしよう”という気持ちよりも“伝えてみたい”が上回り始めたのが大きな成長です。休み時間には海外のクラスメイトと一緒に写真を撮る生徒が増え、名前を覚えて呼びかけたり、連絡先を交換したり、交流を広げようとする小さな会話があちこちで生まれていました。中には相変わらずゲームに夢中な“サボり系男子”もいますが、そういう生徒でさえ渋女生たちにとっては魅力的なクラスメイトの一人。相手の個性ごと受け止めようとしている姿勢や、授業を受けるだけでなく、「どうやって距離を縮めるか」を主体的に考えられるようになったのは、この数日間での大きな変化です。

 午後はボストン美術館(Museum of Fine Arts, MFA)へ。世界有数の規模を誇る美術館で、古代エジプトからアジア美術、印象派、アメリカ美術に至るまで幅広いコレクションを有しています。館内には14:30に到着し、各自で興味のある展示を自由に鑑賞しました。モネの《睡蓮》を見られたことを嬉しそうに報告する生徒が多く、絵画の前で足を止め、じっくり見入っている姿がとても印象的でした。エジプト展示では巨大な石棺や壁画、ミイラの装飾など迫力ある作品が並び、「本で見たことあるやつだ!」と興奮気味に話す生徒も。館内にいられたのは2時間程度でしたが、それぞれが自分の世界を広げる時間になりました。 

 外へ出ると、再び冷たい風が吹きつけ、夕方には雪が舞い始めました。明日の予報は最低気温マイナス12度、最高気温マイナス3度。明日は語学学校最終日で終了式の後、班別自由行動がありますが、まさに“試されるボストンの冬”。街を歩くだけで体力が奪われるような寒さの中、それでも「せっかくボストンにいるんだから、できることは全部やりたい!」と意気込む声が聞こえてきますが、この寒さでどこまで動けるかが少し心配なところです。

 語学の壁、文化の違い、寒さとの戦い。どれも簡単ではありませんが、生徒たちは一つひとつ乗り越えながら確かに前へ進んでいます。英語で質問する勇気、分からないままにしない姿勢、そして海外のクラスメイトとの交流を楽しもうとする気持ち。どれも出発前の彼女たちには“難しいこと”だったはずです。明日が語学学校の最終日。学びの締めくくりとなる一日を、どう迎え、どう過ごすのか。残り少ないボストンでの時間を、自分の力でしっかりと掴んでほしいと思います。以上、6日目のご報告でした。

Eメール 2025.12.03 アメリカ語学研修 5日目

【渋川女子高等学校アメリカ研修 5日目報告書】

 研修5日目。昨夜の雨から一転し、朝のボストンには澄んだ青空が戻りました。すっかり登校にも慣れた一同。地下鉄やバスを乗りこなす姿はさながらボストニアンのようです。肩の力が少しずつ抜けてきたようで、授業中に積極的に発言したり、クラスメイトに話しかけたりと、それぞれが自分なりの“勇気”を試し始めています。休み時間には、同じクラスの留学生の名前を覚えて「今日は話しかけてみようと思うんだ」「次の時間に質問してみる!」と作戦会議をしている姿や「ジョンはすごく優しいの!」とはしゃぐ姿も。昨日まで不安そうだった背中が、クラスメイトと笑顔で写真を撮ったり、連絡先を交換したりする様子へと変わり、確かな成長が感じられます。

 午後はハーバード大学へ移動し、現地で学ぶ松本真理愛さんとお会いしました。松本さんは東京大学経済学部をご卒業後、経済産業省で国際交渉の業務に携わり、現在はハーバード大学公共政策大学院に在籍。スイスと東京を行き来する生活を経て、貿易政策を深く学ぶためにアメリカへ。ハーバード到着直後にトランプ政権へと移行し、国際情勢が大きく変化する中で「自由貿易の議論を現場で学びたい」という強い思いで留学を決意されたと語ってくださいました。

 お話の中で、生徒たちの心を最も動かしたのは、松本さんの高校時代のエピソードでした。「中学受験は補欠合格。学年ビリから2番。それでも『東大に一位で入る』と公言した」という言葉は、生徒たちに強烈なインパクトを与えました。実際に東京大学へ入学し、その後経産省、そしてハーバードへと進まれた背景には、「なりたい自分になり切る」「モチベーションを当てにしない」「決めたことを必ずやる」という揺るがない姿勢がありました。

 また、「嫌いなものを嫌いで終わらせず、理由を考えることが自分の推進力になる」「インプットよりアウトプットで勝負」「やりたいことに挑戦できるのは周囲のおかげ。感謝が自分の力になる」という温かいメッセージも。「宇宙産業にも興味があるので、優秀な人材が世界中からアメリカで、自分に何ができるか挑戦したい」という現在の夢について語る姿はとても力強く、同時に生徒たちにとって“少し先を歩く先輩”としての親しみやすさもありました。

 MITでお会いした長野さん、ハーバードの松本さん。お二人に共通していたメッセージは「自分が好きだと思うことをやり続ける」でした。この言葉は、研修の折り返し地点に立つ生徒たちに大きな励ましとなりました。そして同時に、日本に戻った後の自分とどのように向き合うかを考える生徒たちが増えてきました。「まだ全力を出し切っていない」「友達の影に隠れてしまって、前に出られない」「後悔を残したまま日本に帰りたくない」様々な思いを抱え、もがく姿はとても逞しく、心の奥底で小さな変化が確かに芽吹いています。今はまだ言葉にはならなくても、帰国する頃にはきっと形を持った“実感”となって胸に残るはずです。ボストンでの残りの日々が、未来へ続く一歩となるよう願っています。