2025.12.02 アメリカ語学研修 4日目
【渋川女子高等学校アメリカ研修 4日目報告書】
研修4日目。今日から本格的な授業が始まりました。昨日は少し緊張した面持ちで登校した生徒たちでしたが、今ではクラスメイトの留学生たちに “Good morning!” と声をかけて、自然と笑顔がこぼれます。休み時間には勇気を出して質問してみたり、「どう言えばいいんだろう」と頭を回転させながら会話につなげようとしたりと、昨日より確実に一歩前進しています。言葉が通じない悔しさを抱えつつも、「伝えたい」「仲良くなりたい」気持ちの強さを感じさせる時間でした。
午後は MIT(マサチューセッツ工科大学)を訪れました。私たちを案内してくださったのは、京都大学医学部を卒業後、臨床医から研究者となり、今は MIT の研究チームで活躍する長野眞大さんです。生命がどのように自分の細胞の運命を決めて分化していくのか、その秘密を解き明かす最先端研究に携わっている方です。難しそうなテーマも、生徒に寄り添った言葉に置き換えて説明してくださり、「研究が人の未来を形づくる」ということが伝わってきました。
最初に訪れた Koch Institute は、がん治療や再生医療の革新的研究を行う世界的施設です。ここで毎日、新しい治療法が生み出されるかもしれない——そんな迫力を間近に感じました。続いて向かった Stata Center は、著名建築家フランク・ゲーリーによる一奇抜なデザインの建物。実際に学生が授業を受ける教室にも特別に入らせていただきました。
途中立ち寄った「バナナラウンジ」では、学生たちが無料のバナナを食べながらゴロゴロしたり、勉強していて、「勉強道具と健康と炭水化物と息抜きが揃う」まさにMITらしい空間です。(私たちもご相伴にあずかりました)さらに、キャンパスのビルを巨大スクリーンに見立ててテトリスを落とし込んだ“ハック文化”の説明もしてくださいました。MITでは、学生が知識と技術でユーモアあふれるイタズラをする伝統があり、「遊び心と実行力が世界を変える」というメッセージのようにも感じられます。
最後は MIT の象徴 Great Dome 前で集合写真。風格ある建物に囲まれた瞬間、生徒からは自然と「これが…」というため息。建物を移動する際中にも長野さんへの質問は続きます。将来の選択、勉強方法、失敗との向き合い方など話題が尽きず、長野さんは一つ一つ丁寧に答えてくださいました。「好きなことを、好きだと言えるまま大切にしていい。続けたいことを続けることが大切。」という言葉は、胸に刺さった生徒も多かったのではないでしょうか。ツアーが終わる頃には、目の輝きがはっきりと変わっていました。
「もっと英語ができるようになりたい」「自分の将来をもっと真剣に考えたい」そんな前向きな気持ちが芽生えたように思います。机に向かう勉強だけが学びではなく、今日の出会いも大きな財産になることでしょう。明日はハーバード大学のキャンパスツアーがあり、また新しい出会いを迎えます。挑み続ける渋女生のご報告をご期待ください。