2024年度 渋川女子高等学校 アメリカ研修報告書

この研修は、本校の国際理解推進委員会を中心に、国際理解への知見を深めるために行われています。今回は、2024年12月1日(日)~9日(月)の9日間で実施され、費用は60万円程度でした。1年生19名、2年生が7名参加しました。研修地はアメリカ合衆国ボストン地区、研修の概要は以下の4点です。
1.ボストン市内語学学校(FLS)での語学研修プログラム
2.ホームステイを通しての生活体験
3.各種アクティビティーを通して訪問国を体験
4.現地で活躍される日本人との交流会

この報告書はコーディネーターの方が作成してくださったものです。
PDF版を下部のキャビネットに資料としてまとめてあります。


1日目

成田空港出発前、ゲートにて  とうとう、アメリカ研修当日となりました。群馬は暖かく、お天気も快晴の中、保護者の方に見送らせて、期待に胸を膨らませ学校を出発しました。
成田空港までは、渋滞もなく、スムーズに予定より1時間早く到着し、かなりの余裕がありましたが、セルフチェックイン、荷物を預けていよいよ成田出国となりました。電光掲示板の見方を覚え、途中ゲートが変更になる事もあるということも生徒達にとっては、学びになった様です。飛行機は、ほぼ定刻通りに出発し、ボストンまでの12時間のフライトが始まりました。
機内では、前半映画を見たり、お喋りしたりしていましたが、後半は多数の方が休まれていました。
 ボストンには、ほぼ定刻通りに到着しました。入国審査を前に緊張気味でしたが、係員の質問にそれぞれ一つずつしっかり答え、全員問題なく入国審査を済ませました。スーツケースを受け取った後は、明日の集合時間と場所と連絡事項をお伝えして、各方面ごと4つのバスに分かれて、ホームステイ先に向かいました。生徒達は、緊張した様子でしたが、これから皆で協力して、ホームステイを送って欲しいと思います。ホームステイ先に到着後、生徒にお渡しした現地携帯で到着連絡する様にお願いしておりましたが、皆19時半から20時半の間に各家庭に到着し、ホストファミリーと対面したと報告を頂きました。何人かの生徒はホストファミリーと話が盛り上がったりしていた様で、連絡を忘れていましたが、ホームステイのスタートは、順調な様子でした。
 ボストンはかなり寒く、到着した頃にはすっかり真っ暗でしたが、寒い日が続くとの事ですので、体調管理をしっかりし、明日からの研修に備えて欲しいと思います。

2日目

オリエンテーション ウェルカムランチ 学生ラウンジで交流
   本日研修2日目は、語学学校FLSの初投稿日です。10時からオリエンテーション開始の為、集合時間を9時20分にしましたが、生徒達は、誰1人と遅れずに、みんな時間通りに駅に集合する事が出来ました。中にはホームステイ先のホストファミリーが駅まで連れてきてくれた所もあり、生徒は感激しておりました。初日なのに、遅刻者もいなく幸先が良いスタートとなったと思います。学校到着後は、現地コーディネーターから説明があり、オリエンテーションをして貰いました。学校のルールや授業スケジュールの事、色んな話をされて、生徒達は疲れていた様ですが、皆きちんと話を聞いていました。生徒は、もっと分からないと思ったけど、思ったより聞き取れて良かったですと話していました。その後は、語学学校周辺の案内も案内して貰いました。
 本日は、ウェルカムランチと言う事で、いつもはピザにしているけど、今回はタコスにしたよと言われ、殆どの生徒が初めて食べたけど、美味しかったと言っていました。明日以降は、各自で用意しますが、周辺のお店も教えて貰えましたので、確認も出来たと思います。本日午後のアクティビティーは、ボストン市内を散策しながら歴史を辿ることが出来るフリーダムトレインツアーです。語学学校のコーディネーターによる説明のもと、アメリカ最古の公演、ボストンコモンから始まり、イーストエンドまで約2時間弱散策しました。生徒達は、前日からの疲労の中、一生懸命に耳を傾け、ボストンの歴史などに触れて、かなり刺激や新しい発見があった様で、疲れたけど楽しかったと話していました。最後のイーストエンドで、明日のスケジュールや連絡事項、18時までには家に着く様に、また、帰ったら電話をする事を伝え本日は解散としました。
 生徒達は、いつもと違う場所からの移動と言う事で、各自ホームステイのペアで話し合い、家路にと帰って行きました。また、バスを乗り間違えてしまい帰宅までにかなりの時間がかかってしまった生徒や連絡するのを忘れ遅くなってしまう生徒もいましたが、最終的に全員無事に家に帰れたとの連絡を頂き安心しました。明日からはいよいよ語学学校でレッスンがスタートします。明日も今日と同じ様に、協力して、元気な笑顔が見れる様に期待しています。 
ウェルカムランチ 学生ラウンジで交流 フリーダムトレイル

3日目

ハーバード大学①  本日研修3日目は、学校ではあまり携帯を使わずに積極的に皆とコミュニケーションを取ったり、他国の生徒と交流し、限られた時間を大切にしましょうというお話をして、生徒達は今日は、他のブラジルの子に話しかけようなどと、目標を持って話しかけている様子が見られました。ホームステイ先でも、昨日よりもホストファミリーと話が続くようになった、会話を広げる努力が出来たなど、前向きな発言も見られる一方、まだなかなかお話が出来ない、きっかけを掴めないなど悔しさを話す生徒もいましたが、明日こそは頑張ると話して居ましたので、3日目以降頑張って欲しいと思います。
 今日から、クラスに分かれてレッスン開始となりました。初めは全員が緊張していた顔をしていましたが、クラスの他の国の留学生がいて、その留学生から刺激を受けた様子です。明日からも、沢山他国の留学生と交流し充実した学校生活を送って欲しいと思います。昼食は、各自で取る事になっていましたが、午後のアクティビティーの出発時間の関係で、短くなってしまいましたが、ダンキンドーナツやターゲットなどで、各自テイクアウトして、学校内のラウンジなどで食べていました。午後のアクティビティーでは、世界大学ランキング 2024で4位にランクインしたハーバード大学を訪れました。ハーバード大学までは、皆で地下鉄で移動し、ハーバード大学では、留学生が案内してくれました。赤レンガの建物が並ぶ広い敷地にみんな圧倒されていた様でしたが、サイエンスセンターや大学の図書館としては最大規模と言われるワドナー図書館、ジョンハーバード像を見て回りました。留学生が最後のハーバードのコープを案内してくれて、そちらで解散となりました。
 18時までには帰宅連絡、明日の予定を伝えて、帰宅時間に間に合う様に帰宅する約束をし、その後コープを楽しんでいました。
本日は、晴れてはいましたがかなり冷え込みました。明日は、MTI マサチューセッツ工科大学を訪問する予定です。 
ハーバード大学② 
ハーバード大学③
講堂兼食堂
英語クラス
(インターナショナル
クラス)
授業前の様子 

4日目

 本日は、朝から晴天で、青空が見えました。その中、生徒達は、すっかりと通学に慣れたようで、時間より、早めに到着している生徒達も見られました。
 生徒の皆さんのしおりには初回の授業を終えての授業の様子や感想が書かれていました。
クラスには、渋女生に加えて他国からの生徒がおり、彼らの出身国も様々で、中国、ブラジル、ボリビアなどの国々からの生徒がおり、「同じぐらいの年齢なのに凄い」「レッスン中優しく話してくれて交流する事が出来た」「他の国の人の発言力が凄い」など、各国の生徒から刺激を受け、また楽しく交流しながら一緒にレッスンを受けている様です。
 午後のアクティビティーでは、世界ランキングで常に上位にランクインしているマサセッツ工科大学(MIT)にてキャンパスツアーとなりました。今回は全員一緒のキャンパスツアーとなりました。
今田さんは、日本の高校、大学を卒業後、消化器外科医師と病院にて勤務された後、臨床研究の道に進み日本の大学院を終了。海外大学への挑戦をしてMITに合格。現在は、大腸がんに関わる研究をされている傍ら、MIT日本人研究会の代表を務めてらっしゃいます。
 広大で、世界最先端と言っても過言ではない研究設備の整ったキャンパスを案内いただきながら、最後に、生徒から、MITに行くにあたり、どのくらいの英語力が必要なのか、失敗、思うようにならなかった時にはどの様に対処しているのか?など、生徒の質問に一つ、一つ丁寧に答えて頂きました。
今回のMITキャンパスツアーを終えて、生徒のMITに来る前のイメージとはかなり変わった様でした。お忙しい中2時間近くのツアーをして頂き、生徒達も疲れを見せながらも、一生懸命にメモを取っていました。最後に有志の生徒からお礼の言葉を伝えて頂きツアーは終了致しました。
 ボストンでの生活が慣れてきた一方で時差ボケや毎日の活動による疲れ、アメリカの食事に胃も疲れてきた様子が伺えます。生徒達は頑張っていますが、しっかりと休む時には休む、しっかりと睡眠を取る事や、自分の意志でホストファミリーに自分達の気持ちをきちんと伝える事を生徒の皆さんにお話させて頂きました。明日からはもう数日しか残っていませんが、出来る限り、最後まで悔いが残らずに頑張れる様に陰ながらサポートして参ります。

マサチューセッツ工科大学
英語クラス(インターナショナルクラス)
英語クラス(インターナショナルクラス)

5日目

授業前の様子

留学生との交流

 ボストンに来て、5日目になりました。時間はあっという間に過ぎて、研修も折り返しとなり、生徒の中には、限られた時間の中で何が出来るかを生徒なりに一生懸命考えているようです。改めて、明日こそは留学生と交流する、授業中も頑張って挙手をする、限られた時間を有効に使って全力で頑張る等、決意をした様です。 しおりには、マサチューセッツ工科大学(MIT)にて、今田さんにお話して頂いた事、そこから感じた事も多く綴られていましたので、下記、一部抜粋したものを記載したいと思います。


留学生との交流

•様々な事にチャレンジする事、色んな事に目を向ける事が大切だと思った。
•今田さんは、臨床で医師として働いていたけど、それに満足せずに、自分がやりたい事に向かって行動できる姿勢にとても感動した。
•日本人は、保守的になりがちだと言っていて共感した。小さな事でも良いからら自分の気持ちを言ってみようと思いました。
•MITでは色んな所に行って話を聞いて、本当に自分がアメリカにいる事は、とても貴重な事だと再認識させられたし、若い内に色んな価値観に触れて、色んな所に行き、沢山の経験をしたい。
•0〜1を作り出すには、環境作りや雰囲気作りが必要と聞いて、自分は試験前の勉強がとても苦手なので、少しでも、多くの時間を勉強に費やす為には、スマートフォンを親に預けたり、部屋の模様替えをしたりして、勉強に対する姿勢をイノベーションしたい。
•今田さんが、よく人生は一度しかないとおっしゃっていたのが凄く印象的でした。まだ、私は進路に迷っているので、今田さんがどうやって進路を決めて実現するに至ったかが気になる。私にはない決断力に凄く凄く興味を持った。また、MITは私のイメージと全然違って凄く面白かった。
•自分の将来や進路についてお話を聞く事が出来て、とても為になった。自分には想像も出来ないだろうと思っていた世界に触れられただけでも、自分にとって一生に一度の素晴らしい経験になった。
•MITには、所々ソフャーや人が集まれる空間があり生徒同士の交流の場になっていた。また、校内に子供を預けられる場所がいくつかあり、勉強したいという人々の意志をとても尊重している国だと思った。日本でも取り入れる文化だと思う。
•アメリカに住むのは難しいと思っていたけど、コミュニケーションが取れれば良くて、文法の正確さよりも、話してみる事が重要と言っていたので、まずは思った事を口に出せる様にしたいと思った。今田さんの話しを聞いて、私がボストンにいる間に出来る事がもっとあるのではないかと感じた。アメリカの文化にもっと触れて、日本で活かせる自分の強みを増やしたい。
•最後に今田さんが言ってた事で、興味がある事にはどんどん挑戦さて、やってみたい事も一回は試してみる。やっぱり合ってないと思ってもそれは経験になる。凄く良い言葉だと思った。
•完璧な文法を目指すのではなく、自分が言いたい事を簡単な文章でも伝えようとする事が大切なんだと思った。また、固定観念を払って、新たな道を開拓するのも、楽しそうだと思った。
•物凄く人生の為になる話をしてくれたので良かった。日本ばかり見ていたから、色んな価値観や視野が広がった気がした。
•なかなか出来ない経験が出来ると言うのはとても幸せな事だし、無駄にしてはならないと思った。
 本日の午後のアクティビティーでは、アメリカ三大美術館のひとつでもあるボストン美術館へ向かいました。3グループに分かれて、それぞれのグループが自由に見学しました。最後は地下鉄まで皆で一緒に行き、解散となりました。
 明日からは研修ラストスパートです。しおりを拝見すると、中にはまだ帰りたくない、やり残す事がない様に、最後まで全力で楽しむと書いてあり、皆それぞれ充実したボストンの生活を楽しんでいる様です。
 最後まで気を抜かずに休む時は休み楽しむ時は全力で楽しむ事をお伝えさせて頂きました。明日以降、最後までどの様に過ごすか今から楽しみにしております。

6日目

昼食 

FLSセンター長のMikeさん

修了式

 語学学校での研修も本日で最終日となりました。疲労に襲われながらも、語学学校に来てからあっという間の5日間でした。最後の登校では、週末で電車が動いていない中、早めに動いたりして無事に登校しています。
 生徒さん方は、「まだ帰りたくない、ボストンの生活に慣れてきたし、英語にも慣れてきたからもっと頑張りたい」と最後まで頑張る意欲がしおりから感じられました。今日で、最後と言う事もあり、自分から一歩踏み出し頑張ろうとしていました。
 授業が終わった後は、Farewell Ceremony(修了式)が行われました。1週間授業をしっかりと受けた証として、FLSセンター長のMikeより、生徒一人一人へ修了書が渡されました。Mikeからは、渋女生とここで過ごす事が出来て良かった。素晴らしい生徒です。またいつでも戻って来て下さいと温かいお言葉を頂きました。修了式が終わった後は、皆で修了証を持ち、記念撮影をし終了となりました。
その後のランチでは、大きなピザが振る舞われました。とても大きなピザにびっくりしていた様ですが、美味しく頂けた様です。
 ランチの後は、フリータイムと言う事で各国の留学生と一緒に最後に、卓球をしたり写真を一緒に撮ったりして、最後の時間を惜しみなく使い留学生と交流していました。生徒達も、最後に皆で楽しい時間を過ごす事が出来てとても嬉しかった様で、皆素晴らしい笑顔でした。
 その後は、各班に分かれて、班別行動の計画をしました。土曜日は、電車やバスが遅れたり本数が少なくなるので、注意して、柔軟に行動して下さいとお話させて頂き、解散となりました。
 語学学校での活動が終了し、ボストンで過ごす時間も残りわずかです。すでに、ボストンを離れるのが悲しいと感じたり、一方で日本に帰って日本食がそろそろ食べたいなど、色んな感情を感じている様です。残りの時間を無駄なく使って、最後まで全力で楽しんで欲しいと思います。
 明日はいよいよ待ちに待った班別自主研修となります。安全管理、貴重品管理といった部分に気を付けて頂きながら、最後で名一杯ボストンでの時間を楽しんで欲しいと思います。

7日目

 今日は、朝から快晴で、ボストンで最後に班別行動をするにはとても良いお天気になりました。
事前に、皆から最終日の班別行動の時間を早めて、思い切り楽しみたいとの要望があり、8時半にガバメントセンターに集合としました。朝からグリーンラインが使えなかったり、バスが来なかったりと遅れてくる生徒もいましたので、全員揃った班から班別行動スタートとしました。中には遅刻しそうで、歩いたら迷ってしまった生徒がいて、中々合流出来ないと言うハプニングがあり、心配になりましたが無事に班の皆と合流出来ました。何かあったら連絡する事、時間に戻って来る事をお伝えし解散としました。
 1班、ニューベリーストリート、クインシーマーケットとBeacon Hill chocolate、2班、5班は、ニューイングランド水族館とクィンシーマーケット、3班は、カフェ、ハーバードコープ、クィンシーマーケット、4班は、クィンシーマーケットとニューベリーストリートを回るコースでした。
 15時半の再集合まで、全グループが時間通りに戻って来る事が出来るか、道に迷っていないかハラハラドキドキしていましたが、携帯が鳴ることもなく、皆満足そうな笑顔で元気に戻って来ました。しっかりとルールと時間を守って行動しつつ、ボストンを堪能出来た様です。
 昨日、今日と地下鉄が止まったり、バスが来なかったりと、計画通りには行かない中で、生徒達は皆自分達で、考え行動し無事に5日間の登下校と班別行動を終えました。日本の様に、時間の正確さと言う部分では、振り回されつつ、その中で、先を読み臨機応変に行動し対処する事が、異国の地でも出来た事は生徒にとっても、自信に繋がったと思います。
 長い様で短かった現地での研修、アメリカ生活も終わり、ついに明日は帰国です。早い生徒は、7時から各ホストファミリー宅へ送迎のバンが向かいます。明日の朝、慌てる事がない様に、今日の夜の内にしっかり準備し、明日に備える事をお伝えして解散といたしました。最後まで、全員が笑顔で一回りも二回りも逞しくなった姿を学校にてお見せできるよう、最後まで気を抜かずに、帰国したいと思います。
 この研修を通して生徒は本当に沢山の事を経験し、学びそれぞれが今後の将来の事について考えた様です。新しい学びを毎日し、考え感じた事をしっかりと自分の中で、咀嚼しそれを周りに還元して行って欲しいと思います。
 この1週間で、経験した事学んだ事を忘れずに、また帰国後もまた、様々な経験を積み重ねながら、それぞれの道を突き進んで欲しいと思います。